運動初心者のための適度な心拍トレーニングの方法
普段、日常的に運動をしていない人が、健康のためになにかをはじめるのに、一番おすすめなのがウォーキングやジョギングになります。
しかしながら、初心者の方はなにをどれくらいすればいいのか、全く見当もつかないということもあるのではないでしょうか。そこでトレーニング初心者にあった時間や強度や頻度について一緒に考えていくことにしましょう。
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安全に健康的に楽しく続けられる運動量とは
日常で行う運動はにまず、怪我をしてしまっては意味がありませんので安全に行うことが必須になります。ところが安全だけを重視してしまうと効果的な運動が出来ず、いつまでたっても変化が現れにくく結果として楽しみが半減してしまいます。
安全で尚且つ効果的なトレーニング方法を覚えることで、自分の身体の変化に気付きながら楽しく続けられる運動量を設定してみましょう。
個人によって違う適切な運動量
性別、年齢、運動経験、健康状態や環境によって適切な運動量は違ってきます。
そもそも運動量とは、強度・時間・頻度の3要素によって構成され、これをトータルで判断していく基本的な目安のことを指します。
怪我の危険度が少ない運動量を「安全限界」と言い、この運動量を超える状態でトレーニングを続けていると初心者の方は特に怪我をする確率が高くなってきます。また、これとは逆に運動の効果が比較的、得られやすい負荷の少ない運動量のことを「有効限界」と言いこれを下回る運動量ではいつまでたっても変化があらわれにくい運動になってしまいます。
この、有効限界以上で安全限界以下が適度な運動量となります。
運動をする時の強度は心拍数を目安に
先程、説明した運動量を構成する「強度」について説明していきます。
運動の強度とは文字通り、運動の強さを表す指標になります。そこで自分が行っている運動の強度を確認する一番簡単な方法があるのですが、すごく一般的な手法でわかり、それが心拍数を把握することなのです。
運動をする時に目指すべき心拍数(目標心拍数)を計算するには、安静時心拍数と最大心拍数を知る必要があります。
安静時心拍数の求め方
まず安静時の心拍数を測ります。安静時の心拍数は起床後、布団から出る前の1分間の心拍数になり、測定を行う指は人差し指と中指の2本を手首の親指側の動脈にあてて測定します。
ここで注意なのですが、起き上がった瞬間から心拍数は上昇を始めるので、寝たままの状態で測ってください。
誤差をなるべく少なくするために10秒だけ測って6倍するのではなく、出来るだけ1分間の心拍数をそのまま測ってください。また、季節や環境の違いで変動があるため1日だけ測るのではなく日常的に測って平均値を出すことを健康の面からもおススメします。
もし、起床時に測定できない時、日中に測る場合は30分以上横になってから、寝た状態で測定することでも測ることはできます。
最大心拍数の求め方
次に最大心拍数なのですが、これを正確に測るには運動を日頃からしていない人がいきなり最大心拍数まで上げると危険なので、一応の目安として一般的な計算式で求めることとします。
最大心拍数=220―年齢
で計算します。もちろん個人差があるのであくまで目安になります。
実際に最大心拍数を測るには、心拍数をつけてから2kmをランニングしてから最後に100mのダッシュをした時の心拍数が最大心拍数になります。かなり負担の大きな測定方法になるので運動を始めてから間もない方は、ある程度トレーニングを続けてから測定してください。
目標心拍数の求め方
それでは安静時心拍数と最大心拍数を求めたので、運動する時の心拍数の目安となる目標心拍数を求めていきます。
目標心拍数=(最大心拍数―安静時心拍数)× 運動強度%+安静時心拍数
運動強度%については、下記の5段階の数値を入れてください。
- 40% 積極的休養としての運動
- 50% 健康の維持
- 60% シェイプアップ
- 65% 一般の方の持久力アップ
- 70% スポーツ選手の持久力アップ
例えば、年齢が30歳で安静時心拍数が60の人が持久力アップの運動をする場合は
目標心拍数=(190-60)×0.65+60=144.5
ということで心拍数の目標を144.5に設定してトレーニングをしていくことになります。
有酸素運動をする時には、以上のような運動強度に分けてトレーニングをしていきます。ダイエットが目的な場合は、60%以下の強度で運動してください。この負荷が脂肪が燃えやすい強度になります。
70%以上の強度になると乳酸が発生して糖をエネルギーとして使いだし目的が違ってきますので、初心者の方にはおススメしません。
負荷が高い=効果的であるとは限らない
一般的に負荷が高いほど効果があるように考えるかもしれませんが、そうではありません。
各運動強度を意識しながら目的にあったレベルでトレーニングを行うのが結果的に効率の良い運動になるのです。
例えば、トライアスロンのトレーニングをする人達は負荷の高い強度で運動をしているように思われがちですが、基本のトレーニングの8割は普通程度の負荷での心拍運動をしていたりします。
なので、負荷が高いトレーニングが一概に効果があると思いがちですがそうではないのです。
運動は短時間に区切りながら行っても大丈夫
ウォーキングやジョギング等の有酸素運動は、一定以上の時間、強度を維持し続けながら運動をする必要があるように思われていますが、全体的な運動量を考え、ジョギングの途中で歩いたり走ったりしながら、目標心拍数を超えないように維持する事を意識し体調に合わせて運動を行うことが結果、効果的な運動になるのです。
心拍トレーニングは継続することを最優先に
運動習慣のない人が運動をする場合、怪我の防止の為にも、いきなり毎日ではなく、強度・時間・頻度を少しずつ増やしていくようにしながら行うのがおススメです。
運動は楽しく行い、心地のいい疲労感が得られるような強度で続けながら、時間や頻度を増やしていくことで、より効果が期待できるようになります。継続できることが一番なのでトレーニングが生活の一部に無理なくなるようにしてください。
楽しく、安全に健康的な毎日を過ごせるように心拍トレーニングを活用してみてください。