ランニングフォームの着地改善で怪我の予防と効率的な走り方を考えてみる
ランニングをしていると、今よりもっと長距離を走りたかったり、ずっと走り続けていると怪我をするのではないかと心配になることがあるのではないでしょうか。
走る動作というのは一定のリズムで同じ動作を繰り返しているので、走り方が良ければ最適で効率的なトレーニングをすることができると思いますが、もし間違った走り方をしていると走るという動作をしているというだけで、非常に非効率で、もしかすると怪我をしてしまうという事にもなりかねません。
そこで 、ランニングフォームは身体の各部位が複雑に連携していることを考えトータルで改善する必要があるのですが全体的に見てしまうと、どこをどう改善すればいいのか、わかりにくくなってしまいます。
例えば、足の着地の仕方1つをとっても、いろいろな方法がありそれだけでランニングフォームが決まってしまうわけではないのですが、これら関連する動作を局所的に抜き出して改善していく方法を考えたいと思います。
ランニングフォームとは
そもそもランニングフォームに正解があるのかということですが、なにをもって正解とするのかという価値観の違いによって変わってくるものであり、怪我予防や速く走るためでという具合にいろいろ適したフォームがあるのです。
ここで着地の方法だけを考えた時、フォアフット・ミッドフット・ヒールストライクの3つの方法があるのですが、先程もお話ししたようにどの方法が一番いいということはないのです。
ですので、ここからご紹介することを、絶対にこうしなければならないということではなく、あくまでランニングをする時のフォームを考える時の参考にしていただけたらと思います。
ランニングとはどういう動作なのかを考えてみる
まず、着地の方法を解説する前にランニングでおこなわれる動作についてなにがおこなわれているのか考えてみましょう。
ランニングは常に片足で着地している状態が連続していることをいいます。
これを片足について見てみると、足が地面に着いている状態と離れている状態とに分けられます。
更にこれらを分解すると、足が地面に着いている状態の時では
- 着地した瞬間
- 着地して踵が地面から離れるまで
- 踵が地面から離れて、つま先が地面から離れるまで
足が地面から離れている状態の時には
- つま先が地面から離れ足が最後方に移動するまで
- 最後方から最前方に移動するまで
- 最前方から足が着地するまで
以上のようにランニング中の足は動作を繰り返しているのですが、ここからは「着地した瞬間」のことについて考えていきたいと思います。
フォアフット・ ミッドフット・ヒールストライク の3種類の着地について考える
走る動作と言えば踵から着地するのが理想的であると、ずっと信じられてきました。しかしながら、近年では医学の進歩や陸上選手の着地方法が知られるようになり、踵以外での着地についても研究されるようになってきたのです。
以下では、3種類の着地方法について解説していきたいと思います。
フォアフット
フォアフットとは足の前方部分から着地する方法になります。
前方部分から着地することで踵から着地する時よりも、足への衝撃が少ない事や、接地する時間も短くなり筋肉への負担も少なくなることがわかっています。
ですので、このフォアフットを取り入れることで、筋肉への負担軽減を図り、より長距離を走ることができるのです。
しかしながら、ランニングのペースによって動作は違ってくるので、ランニングフォーム全体を視野に入れながら着地方法を選ぶ必要があります。
ミッドフット
足裏全体で着地する方法になります。
足裏全体での着地は脚部の筋肉で走るのではなく、お尻の筋肉を重点的に使って走る方法になり、着地面積が大きくなるので衝撃を足裏全体に分散して吸収することができるようになります。
また、スムーズに平行移動をすることができ上下へのエネルギーロスが少なくなるのが特徴になります。日本古来の走法であるナンバ走りもミッドフットに分類され長距離を少ないスタミナで走るのに適している走法になります。
ヒールストライク
この走法は踵から着地する方法になります。
日本人のランニングフォームでは、一番一般的な着地方法になるのではないでしょうか。
この着地方法は、地面からの衝撃を筋肉を使って利用しながら、推進力に変えていく方法になるので、非常に強靭な筋力が必要になってきます。
また、この走法では歩幅を大きくして踵から着地することで前に進む力に対してブレーキをかけてしまうことになってしまうので、この走法についてもトータルで考える必要があります。
それではどの着地方法がベストなのか
先程まで説明してきた3つの着地方法なのですが実際のところどの着地方法がベストなのかを考えることにします。
ここで、前述でも書いてきたように着地の方法はランニングフォーム全体の中で勝手に決まってくるものなので、それぞれの着地方法になっているのはそのフォームに対して適切な着地方法であるということなのです。
ですので本来、着地方法を意識せずに走ることがベストであり、それでは着地方法について考えても仕方ないのではないか、となってしまいがちなのですが、この考えるべき、ポイントはランニングフォームを修正するための機会を作ることにあるのです。
ランニングフォームは複雑な動作が絡み合っているものなので、それぞれ強化したり修正する部分を抽出してトレーニングをおこなっていくのです。
- ランニング動作を分解してみる
- 分解したものから修正するべきポイント(姿勢が悪いetc..)を直していく
- 分解した動きをランニング全体での動きに繋げていく
ランニングフォームを修正する時に気をつけておきべきこと
ランニングフォームは非常に複雑な動作の集合体なので、少しだけ意識を変えるようなことだけでは、変えることができるものではありません。
意識を集中してランニングフォームを変えることは一時的には可能だとは思いますが、暫く走っていればすぐに元に戻ってしまい、意識のみで修正できるものではありません。身体のどこに原因があるかということを探し出し問題を解決する必要があるのです。
また、ランニングフォーム自体に異常はないのに関節や筋肉に違和感や痛みがある場合、左右の筋肉で柔軟性に大きな差があることや、股関節の動きが悪いことなどで怪我に繋がるケースもあります。
ですので、ランニング中の怪我の原因が単純にランニングフォームが悪いということではない場合があり、本当の原因を見つけて対処していく必要があるのです。
このことから、ランニングフォーム自体が複雑な動作の集合体なのでトータルで直していくということではなく、より単純な動作に分けて柔軟性や股関節の動きなど、特定の部分について見直していく必要があります。
まとめ
ランニングフォームの着地改善は意識だけで変えられるものではなく、本来は無意識でも修正された状態で走れることが必要になってくるので、筋力が低い場合や柔軟性に差がある場合、関節の硬さ等について、個別の改善をしながら、最終的にランニングフォームの改善に繋げていくことが求めらるということを忘れないようにしてください。