ピッチ走法とストライド走法の違いとメリットとデメリットについて
ランニングをする時、今よりも速く、安全に、効率的に走るためには、どうしたらいいのか考えたことはないでしょうか。
自身のランニングフォームの把握とそこからの改善方法はいろいろあるのですが、ここではピッチ走法とストライド走法のどちらがいいのか、その違いとメリット・デメリットについて考えていくことにしましょう。
ピッチ走法とストライド走法の違いとは
まずピッチ走法とストライド走法のどちらがいいのかを考える前に、下記の公式について理解しておく必要があります。
ピッチ×ストライド=走行距離
ということになります。
※ちなみにピッチとは単位時間あたりの歩数、ストライドは1歩の歩幅になります。
このことから、早く走るためにはピッチもストライドも両方、必要になってくることがわかると思いますが、ここでピッチ数に重点をおくとピッチ走法となり、ストライドに重点をおくとストライド走法ということになるのです。
それでは具体的に、それぞれの走法についての違いとメリット・デメリットにつてい説明していきます。
ピッチ走法のメリットとデメリット
ピッチ走法は、歩幅を小さくして足の回転を速くする走法になり、単位時間あたりの歩数を多くすることに重点をおくことになります。メダリストの高橋尚子選手がこの走法を取り入れていたのがピッチ走法の一番の参考になるのではないでしょうか。
ピッチ走法のメリットは歩幅が少さく、上下運動に関しても少ないので筋肉や身体への負担が少ないと言われています。
ですので筋力や柔軟性が低かったりする場合は、必然的にピッチ数でカバーしなくてはならないようになります。
ストライド走法のメリット・デメリット
ストライド走法は、ピッチ走法と比べて歩幅を大きくするため、それに見合う筋力や柔軟性が必要になってきます。
ですので、まだ筋力や柔軟性が低い状態でストライド走法を取り入れようとしても、余計なエネルギーを使うことでランニング効率が落ちてしまうことになります。
以上のように、両者ともにメリット、デメリットがあるのですが、基本的に初心者にはピッチ走法の方が、怪我の予防や改善の観点からも有益であると言われており、ランニング中の歩幅を10%減少させることで脛骨の疲労骨折リスクを抑えることができるとの研究もあるのです。
ここで、ピッチ走法、ストライド走法のどちらに重点を置くことで、より速く、効率的に走れるのかを、ケイデンスという数値を使ってみていくことにしましょう。
ケイデンスという数値について
ケイデンスとは1分間あたりの足の回転数のことを示す言葉になり単位としては
「Steps Per Minute:SPM 」として表現します。ここで言う回転数とは2歩で1回転ということになります。
この数値は、トップランナーではランニングスピードも速いということもあり、100SPM以上になることもあります。
一方、一般的なランナーでは、80~100SPMが通常とされています。
また、このケイデンスの数値について、最近ではGPSウォッチを使うことで自動的に計測してくれますので非常に便利になっています。
ケイデンスを計測することで得られる効果
このケイデンスを計測し活用することで、ランニングのパフォーマンス向上や怪我の予防にも効果があるのです。
まずトレーニングをすることでケイデンスの数値が増えれば、速く走れるようになっているということがわかるのですが、ランニングフォームに問題がある場合ランニング時にカカトから着地していたり、歩幅が大きくなりすぎている場合があり、怪我のリスクが高くなってしまっていることがあります。
この状態で走っている場合は、ブレーキをかけながら走り続けていることになるので、身体に負担がかかり効率も悪くなってしまいます。
ここでケイデンスが、70SPM以下の場合、歩幅が大きくなりすぎている可能性が高く、更に身体の上下動についても大きくなってしまう傾向になるので、ケイデンスが低いと怪我のリスクが高くなってしまうのです。
ランニングする時の理想的なケイデンスは?
それでは、ケイデンスの理想的な数値とはいくつなのでしょうか。
実をいうと全てのランナーにとって理想的なケイデンスの数値はないというのが正解になります。これはランニングには個人差があるのがあたり前で、ケイデンスは身長、体重、筋力、柔軟性など全ての要素が複雑に絡んでいるからです。
なので一般的にいわれている、80SPM以上を必ずしも維持する事が必須ではなく自分に身体に合ったケイデンスを目指すべきなのです。
ケイデンスを改善する方法
しかしながら、速く効率的に走るためにはケイデンスの改善は必要になってきます。
この改善をするためには、まず自分のケイデンスを把握して、その数値をもとに5%の数値向上を目指すようにしましょう。
ここで最初からいきなり目標の数値を目指すのではなく、1週間の間で1回だけや、ランニング中の10%の時間や距離だけのように少しづつ増やしていくようにしましょう。
ただし、先ほども例をあげたようにランニングフォームに問題がある場合は、まずそこから改善する必要がなによりも大切になるのでランニングフォームのチェックはしておくようにしましょう。
また、ケイデンスを上げるために意識的に回転数を上げるのではなく、筋力トレーニングや柔軟性をアップさせた結果として数値が向上しているというのが理想になります。
まとめ
ピッチ走法、ストライド走法の特徴を説明してきましたが、これを元にケイデンスの数値を使って、いろいろな目標設定ができるのではないでしょうか。
ランニングの効率的なトレーニングのためにもケイデンスをチェックしながら、またランニングフォームの改善もおこなうことで怪我の予防にも繋がるよう活用してみてください。