超回復で筋肉と運動のパフォーマンスを最も効果的に発達させる方法
ワークアウト(トレーニング)の世界では、筋トレやランニング等、その他多くの練習でも超回復を使うことで、普通にトレーニングするよりも効果的に筋肉の発達を促進させることができるという理論があります。
そこで、この超回復とは、いったいどのようなものなのか、また、どのようにしてワークアウトをすることで効果的な結果を得られるかの方法をご紹介していきます。
非常に端的に言えば、どのワークアウトを行うかよりも、ワークアウトの強さや頻度を効果的にすることが非常に重要になります。
Contents
超回復とはいったいどのようなものなのか?理論に基づいた身体反応
超回復とは、本来ワークアウトの為の理論ではなく、ある理論における身体反応の1つであり、詳しくは、ストレス(外部要因)に対する身体反応の理論である、General Adaptation Syndrome(=GAS:汎適応症候群)という理論の中の1つなのです。
この理論は、ストレスに対して身体は3段階の反応をするという概念を応用したものなのです。
4つのフェーズで構成される超回復
ここではこのGAS理論を応用した超回復について、筋トレをした時に身体にはどのような反応が起きるのかを紹介します。
警告反応期=アラームフェイズ
ワークアウトをおこなうと、外部からの刺激やストレスにより、少なからず筋肉が損傷します。ワークアウトのあとに筋肉痛になるのは筋繊維が損傷していることからもおこるのです。
さらに、疲労した筋肉は硬直し使われたエネルギーが身体から失われ、これらのことが原因で一時的にパフォーマンスが低下することが、ストレス(外部からの刺激)を受けた時に身体に起こる最初の反応であり、アラームフェイズと呼ばれています。
抵抗期=レジスタンスフェイズ
ワークアウトをおこない、身体がアラームフェイズになると、身体はその刺激に反応して適用しようとします。
具体的には、筋肉が損傷した時、その状態に抵抗するために、身体が自ら修復作業を始めるのです。わかりやすいのは、骨折した時や皮膚を怪我した場合等の時、固定して安静にしていれば自然に治るように、人間の身体には、壊れてしまった部位を自ら修復する能力があるのです。
これが筋肉の場合は、壊れた部位を修復するだけではなく、たまってしまった疲労を回復させ、痛みや硬直を緩和し、低下してしまったパフォーマンスを戻してくという適応反応が起こるのが、抵抗期=レジスタンスフェイズと呼ばれているものになります。
超回復期=スーパーコンペンセイションフェイズ
先程、ご紹介した抵抗期で適切な休息や休養をとることで、超回復期を迎えることが出来ます。
この超回復期を迎えるとワークアウト前よりもパフォーマンスのレベルが上がっている状態になります。
これは、骨折をした場合、骨折が治る時に修復された部位が他の部位よりも少しだけ太くなるとうい現象と同じことが起きるのですが、これがまさしく骨折部位における超回復が起きている証拠になるのです。
つまり身体は、損傷を負った場合に修復する過程で前よりも少しだけ強くなるように修復して、次に同じ刺激を受けても耐えらえる身体を作ろうとするです。
これが、筋肉の筋繊維が損傷して時、修復作業を始める過程で次に同じ刺激を受けても耐えられるように、前よりも少しだけ強く修復するのです。
これによって、同じ刺激が来た場合でも、修復前よりも少ない痛みや、少ない疲労で済んだり、筋肉が固くならないようにするのが超回復期というものになるのです。
疲弊期=オーバートレーニングフェイズ
ワークアウトの強度が適切であり、また適切な休養をとることができると超回復期になるとご紹介しましたが、もし強度が高すぎたり筋肉の損傷が激しい場合や、適切な休養が取れなかった場合に身体が刺激に耐え切れずにうまく適応できないことがあります。
これを、疲弊期=オーバートレーニングフェイズと呼び、筋肉の修復や疲労がたまったままの状態で回復が起こらないので、痛みも疲労も回復せず、パフォーマンスレベルが低下したままとなってしまうのです。このオーバートレーニングフェイズを繰り返してしまうと、折角ワークアウトしても故障が続いてしまうことになるのです。
超回復に必要な2つの要素とは
これまで説明してきたように、超回復というものはごく一般的に身体の中で行われている現象であり、適切な強度の運動をしながら適切な休養をとることで、誰の身体にも表れる現象なのです。
適切な運動の強度
身体は、ストレスを受けると次に同じようなストレスがきた時に耐えられるように準備をしているものなのですが、これが同じ強度であったり、それよりも弱い強度のストレスであると、身体はストレスであると認識せずに、もっと身体を強くして対応しなければならないという適応反応が起きないようになっているのです。
この適応反応が起こるようにワークアウトをおこなうためには、ただ単に運動をすればいいのではなく、運動の強度が非常に重要になってくるのです。適切な強度のワークアウトをおこなうために知っておかなければならないのが、ワークアウトの原則であり、詳しくはこちらの記事にかいてあるので、一度参照してみてください。
適切な運動後の休養
ワークアウトをおこなっていると、どうしても早く結果が欲しくなるのは仕方のないことだと思います。そのために、とにかく身体を鍛えることばかりを考えてしまいがちになるのですが、ここで再確認をして欲しいことが、ワークアウトをおこなっている時にパフォーマンスが向上しているのではないということです。
パフォーマンスが向上するのは、ワークアウトをしてから数日後の、抵抗期であるレジスタンスフェイズであるということを、再認識してください。
すなわち、しっかりと休養をとるための期間がなければ、パフォーマンスの向上はないのです。
筋トレをしている時に、筋肉が発達しているのではなく、そのあとの休養期間に筋肉が発達しているということを、改めて思い出してください。
休養をとらないのは非常に非効率である
筋トレによってストレスをかけるのは、あくまでも筋肉が発達するためのきっかけであり、なによりも休養をとることが必要不可欠になのです。
この休養を取らないことで、ストレスをかけ続けてしまうと、負荷がかかりすぎてしまいオーバートレーニングの状態になり、パフォーマンスは下がり続けてしまうことになります。